近頃の仏壇事情。仏壇の価格相場や置き場所、処分方法のお話
集合住宅や狭小住宅など、仏壇を置くことが難しい家が増えています。しかし、身内が亡くなるなどで、お位牌やご遺影を安置する場所が必要になることもあるでしょう。
近頃は、昨今の住宅事情を考慮した小さい仏壇や、インテリアになじむ仏壇が増えてきました。変化しつつある仏壇を取り巻く環境と共に、仏壇の価格相場や置き場所、処分方法について解説していきたいと思います。
そもそも仏壇は必要か
昔の一戸建て建築では、あらかじめ仏間を作り、後に仏壇を置ける場所を設けておくのが一般的でした。しかし現在では、仏壇を置くことを想定していない間取りの狭小住宅や集合住宅のほうが、スタンダードになっています。結果、身内が亡くなって初めて「仏壇をどこに置こう?」と迷うケースが増えているのです。
しかし、仏壇がなければ、お位牌やご遺影を安置する場所に困ってしまいます。クローゼットの奥などにしまい込んでおくという方法もありますが、それでは死者をぞんざいに扱っているようで心が痛むという人も少なくないでしょう。
本当に必要なのは従来の形をした「仏壇」ではなく、「日々、故人様のために祈れる場所」ではないでしょうか。最近では、大きな仏壇を置く場所がなくとも祈りの空間を作れる、小さな仏壇が多くなってきました。
もし従来型の大きな仏壇を置けるスペースがあるのなら、伝統的な仏壇を購入することを検討してみても良いかも知れません。伝統的な仏壇にはご本尊が安置され、仏教的に意味のある装飾がふんだんに施されており、お位牌を祀って祈りを捧げるのにふさわしい荘厳さを求める人に最適です。
ただ、もしもスペースや費用の関係で従来型の仏壇を置くことが難しい場合は、無理をせず、ご自身の生活スタイルに合ったものを検討してみるのが良いでしょう。
多様性あふれる仏壇の種類と価格相場
仏壇には様々な種類があり、それぞれ価格相場が異なります。
伝統的な床置きタイプ(唐木仏壇、金仏壇)
「仏壇」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、背の高さほどもある大きな床置きタイプの仏壇でしょう。木目調でシンプルな唐木仏壇と、黒い漆塗りの木材に金の装飾が施された金仏壇があります。
床置きの唐木仏壇はさまざまな宗派で使用でき、価格相場は50万円から100万円ほどです。床置きの金仏壇は主に浄土真宗などで使われ、価格相場は100万円から200万円ほどになります。
伝統的な上置きタイプ(唐木仏壇、金仏壇)
唐木仏壇や金仏壇には、家具の上などに置く小さな上置きタイプもあります。価格相場はいずれも20万円から60万円ほどとなっており、サイズにより価格が変わります。
扉を閉めると家具にそっくりなモダン仏壇
デザインが現代風に洗練されていて、洋間にもなじむよう設計されているスタイリッシュな仏壇が、所謂「モダン仏壇」と呼ばれるものです。腰掛けてお参りできるよう下部スペースに椅子が収納されているものや、ご遺骨を自宅で供養できるよう納骨スペースがあるものなど、様々な生活スタイルに合うデザインがあります。価格相場は30万円から60万円ほどで、デザインや材質によって価格は異なります。
ステージとお位牌、小さな仏具で構成されるミニ仏壇
ミニ仏壇とは一般的に、ステージの上や小さくシンプルな箱の中に、ご本尊の掛軸やお位牌、写真(ご遺影)を安置して供養するタイプのものを言います。併せて、小さな仏壇に合う『ミニおりん』や『ミニ線香立て』など、小ぶりな仏具セットなども販売されています。
コンパクトで簡易的な分、価格相場も3万円から10万円ほどと比較的リーズナブルと言えるでしょう。そのため、ご遺骨を自宅で供養する手元供養用として購入する人もいます。
仏壇を置く場所は?
仏間がない家では、いざ仏壇を購入したとしても、置く場所をどこにしようか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。実のところ、仏壇を「置く場所」自体には、明確なルールはありません。リビングなどの人が集まる場所に置いても、あるいは寝室などのプライベートな空間においても構いません。
ただし、置き方や向きにルールがありますので、今回はそれを解説していきたいと思います。
上にものを置かない
家具の上に仏壇を置くのは良いですが、何かの下に仏壇を置くのはタブーとされています。小さい仏壇を購入したら、お参りの際にご本尊が目線の高さより上になるよう、置き場所を工夫しましょう。
南向き、もしくは東向きにする
北側を背にして、南を向くようにするのが、仏壇の置き方として最も良いとされています。何らかの事情で南向きにできない場合は、西を背にして東向きにするのが次善でしょう。ただし、これについては宗派によっても考え方が異なる場合もありますので、菩提寺がある人は一度尋ねてみることをおすすめします。
仏壇の処分方法は?
様々な事情で仏壇を処分しなければならなくなった時、または古い仏壇を処分したくなった時には、以下の手順に沿って手放しましょう。
1.仏壇の処分方法を決める
仏壇は、自治体によっては粗大ゴミとして出すことが出来ます。
「ゴミとして出すのは気が引ける」という人は、古い仏壇を引き取ってくれる仏壇・仏具店を探し、引き取りを依頼しましょう。
2.僧侶に「魂抜き」の儀式をしてもらう
「魂抜き」とは、仏壇を参拝の対象からただの「物」にする儀式です。「性魂抜き」などとも呼ばれます。
菩提寺があれば菩提寺に依頼し、菩提寺がない場合は、仏壇・仏具店、葬儀や供養の専門業者などに相談してみると良いでしょう。お店によっては、寺院を紹介してくれることがあります。
3.仏壇の中をきれいにする
粗大ゴミに出す場合でも、仏壇・仏具店に引き取ってもらう場合でも、仏壇の中をきれいにして本体のみの状態にしておく必要があります。“おりん”や香炉、ロウソク、線香などを取り出し、それぞれ自治体の処分方法に従って処分しましょう。ご本尊の掛軸など、ゴミに出すのがしのびないと思われるものは、「お焚き上げ」をしてもらえないかを菩提寺などに相談します。
4.仏壇を処分する
仏壇の中をしっかりと空にしたら、仏壇を手放します。仏壇は軽いものではないため、移動させる日は力持ちな人が数人いると安心でしょう。最後に、仏壇が置いてあった場所を掃除したら完了です。
大きさ、予算ともにぴったりの仏壇を見つけよう
仏壇は種類も価格も様々です。それぞれの予算に見合った価格の仏壇を選ぶことが大切で、高ければ高いだけ良い、逆に安いとお得だというものではありません。例えば昨今では、格安で仏壇を買ったはいいものの、材質があまり良くなく、すぐに装飾が剥げてきた……などのトラブルも耳にしますので、購入の際にはしっかりと調べて、あるいは信頼できる業者などに相談しつつ、決めていくことをおすすめします。
購入を検討する際、可能であれば一度仏壇・仏具店へ出かけて現物を確認してみることも、大切です。その際にはメジャーを持ち、安置する予定の場所に入るかどうかをしっかりチェックすることも忘れずに。
クルーズ株式会社が運営するサポくるでは、葬儀の手配や供養に関するご相談まで、葬祭関連のサポートをワンストップで行っております。それぞれの事情や心情に寄り添った最適な葬儀方法のご提案や、ご希望を叶える供養の方法、さらには死後事務の代行や遺品整理、相続関係の手続きまで、全てまとめてお任せいただけますので、いつでもご連絡ください。もちろん、初めて仏壇を購入する際のご相談にも、専門の知識を持ったスタッフが対応致します。
ご見積もり・ご相談は無料です。お気軽にお電話ください。
→クルーズ株式会社 電話番号:045-334-8240
(監修:行政書士・尾形達也)
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