今需要の高まっている「直葬」とは? その流れとメリット・デメリットをご紹介します。
お通夜や葬儀・告別式といった儀式を行わず、火葬だけで見送ることを直葬、あるいは火葬式といいます。特に都市部ではこの直葬が増えているといわれ、コロナ禍においてますますニーズの高まりが見られます。
一方で「葬儀をせずに見送って、後悔しないだろうか?」と感じる人もいるでしょう。
今回は、直葬の流れや、メリット・デメリットについて解説します。
直葬とは、火葬だけを行う最もシンプルな見送り
直葬とは、お通夜や葬儀・告別式をせずに、火葬だけを行う葬法です。亡くなったら病院から自宅や安置施設に向かい、火葬の時間に合わせて出棺し、火葬場へ向かいます。最もシンプルな見送りとして注目され、関東では2割ほどの人がこの直葬を選んでいるといわれています。
特に「密閉」「密集」「密接」の3密を避けるコロナ禍においては、葬儀会場にたくさんの人を集め、会食などをすることをためらう人も少なくありません。少人数で葬儀を行ったり、直葬を選んだりする人が増えています。「葬儀をしないなんて寂しい」と思われがちな直葬ですが、感染対策の一環としてはメリットが大変大きく、それを理由に直葬を選ぶ人もいるほどです。
ちなみに、直葬と似た言葉として「家族葬」があります。こちらは親族を中心とした小さな葬儀のことを言い、お通夜を行うかどうかはご遺族の判断によります。直葬と大きく違う点は、小規模ながらも葬儀自体は行うことです。
直葬の流れ
一般的な直葬の流れは、以下の通りです。
①臨終、安置
病院や施設で亡くなったら、葬儀社や専門の業者に連絡し、安置場所までご遺体を搬送してもらいます。安置場所とは、出棺まで故人様を休ませる場所です。主に自宅か、葬儀社が所有している安置施設などへ移動します。
自宅で亡くなった場合は、自宅にそのまま安置するか、安置施設などへ移動するかを決めます。自宅に安置する場合でも、遺体にドライアイスを当てるなどして衛生処置をする必要がありますので、まずは葬儀社や専門の業者に連絡を入れましょう。
②火葬の日程をおさえる
葬儀社・専門の業者と打ち合わせをし、火葬の日程をおさえてもらいます。火葬の日程が決まり次第、主な親族に連絡しましょう。火葬に立ち会える人数は火葬場によって決まっていますので、確認の上、誰が火葬場までついていくかを決める必要があります。また、人数分の車の手配も忘れずに行いましょう。
③納棺
納棺とは、最後の身支度を整えた故人様を、棺に納めることです。葬儀社や専門業者の案内のもと、ご遺族が主体となって故人様の手足を拭き清め、布団から棺に移動させ、好きだった服など思い出の品を共に棺に納めます。
また、納棺の専門家が安置場所を訪れ、バスタブを用いて故人様の体を洗い清め、着替えやメイクを行うサービスを依頼することもできます。直葬においては「すぐ火葬するのだから、プロの納棺はいらない」と考える人もいれば、「葬儀をしないのだから、せめて故人を美しく整えてほしい」と考える人もいます。
④出棺
火葬の時間が迫ったら、安置場所から出棺します。ご遺族が希望すれば、出棺の前に簡易的なお別れの儀式が設けられることもあります。お坊さんに短い読経を行ってもらうことも可能です。
⑤火葬、拾骨、解散
火葬場に到着したら、最後の焼香を行い、火入れとなります。火葬が終わるまで遺族控室などに待機し、案内があったら拾骨室へ移動します。拾骨室でご遺骨を骨壺に納めた後、解散となります。
以上のように、直葬にはお通夜や葬儀はもちろんのこと、通夜振る舞いや精進落としといった会食もありません。ただ、ご遺族が希望すれば、火葬の前の晩に簡易的なお通夜として身内だけで会食をしたり、火葬後に自宅へ戻って仕出し料理を食べたりといったことが可能です。
直葬のメリット・デメリット
直葬の大まかな流れを把握したところで、ここからは一般的な視点から見た直葬のメリット・デメリットを3つずつ挙げていきたいと思います。
直葬のメリット
直葬のメリットは、以下の3点です。
費用が安価
直葬の費用相場は10万円から20万円ほどです(民間の火葬場が多い東京は30万円ほどになることもあります)。一般的な葬儀を行うと150万円から200万円ほどかかり、家族葬でも60万円から100万円はかかってしまうため、比べると直葬の費用はかなり安価といえます。
気の置けない身内だけでお別れができる
直葬は、最低限の人数で見送りをします。家族だけというケースも珍しくありません。気の置けない身内だけなので、誰に気を遣うこともなく、多くの時間を故人様とのお別れに使うことができます。
感染対策になる
コロナ禍においては、最低限の人数での見送りが、最大の感染対策になります。基本的に会食がないことも、感染予防につながります。
直葬のデメリット
直葬のデメリットは、以下の3点です。
菩提寺への説明が難しい
菩提寺がある場合、仏式の葬儀を行い、宗教儀式にのっとった見送りをするのが一般的です。それをしないのですから、菩提寺への丁寧な説明が必要になります。菩提寺の意向によっては、少人数でも葬儀をすることになるかもしれません。
ただ、昨今のコロナ禍により、直葬に寛大な菩提寺は増えているように見受けられます。それでも菩提寺を尊重したい場合は、「出棺前に短いお経を上げてもらう」「火葬場の炉前で読経してもらう」などの提案をしてみてもいいかも知れません。
親族の理解が得られない可能性がある
親族の中には、「葬儀をしなければならない」「直葬なんて寂しくて、受け入れられない」という意見の人がいるかもしれません。その場合はしっかり事情を説明し、理解を得る必要があります。可能であれば、事前に主な親族へ相談をしておくといいでしょう。
火葬後、物足りなさを感じる可能性がある
直葬をした人の中には「儀式をしていないので、心にけじめをつけられない」と悩む人もいます。その場合は、後日お別れ会を行うなどして、改めてお別れを言う機会を設けるのが良いでしょう。
メリットとデメリットを確認し、納得のいく直葬を
直葬をしたいと感じたら、メリットだけではなくデメリットも確認し、デメリットへの対策をしっかりと講じましょう。また、新しい見送りの形式なので、お身内の中には戸惑いのある人もいることと思われます。不安があったら葬儀社に確認して解消し、家族みんなが納得した状態で直葬を選ぶのがおすすめです。
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