いざという時に火葬場で慌てないために
初めて火葬場へ行くときは、少し緊張してしまうのではないでしょうか。誰でも初めての場所は不安です。
しかし、あらかじめ流れや時間を把握し、マナーを押さえていれば落ち着いて行動できます。ぜひこの記事で予習をしてください。
火葬の流れ
まずは火葬の流れを把握しましょう。地域や火葬場によって若干の違いがありますが、一般的な場合についてご紹介します。
出棺
葬儀式場から火葬場に向けて棺が出発することを、出棺といいます。
火葬場から参列するのではなく葬儀の場にいる場合は、霊柩車を合掌で見送った後に火葬場へ出かけましょう。
事前に、みんなでバスに乗るのか、それぞれ自家用車で行くのかを事前に確認しておくと良いでしょう。
なお、そのまま葬儀式場に戻らない場合は荷物を忘れずに持ちましょう。
火葬場到着、焼香
火葬場に到着したら参列者らは炉前に集合します。炉前には棺が置かれ、1人ずつ棺の前で焼香を行います。
炉入れ
棺が火葬炉へ入ることを、炉入れといいます。参列者の焼香が終わり次第、炉入れとなります。このように、予定されている火葬時間ぴったりに火葬が始まるのではなく、棺の準備が整った段階で炉入れとなります。よって火葬から参列する人は予定時刻に間に合うよう行くのではなく、30分前程度を目安に到着し、棺を出迎えましょう。
地域によっては炉入れの際に喪主が火葬のスイッチを押すところもあります。
遺族控室で軽食
炉入れを見届けた後は遺族控室に行き、火葬が終わるまで軽食をとりながら過ごします。会食会場を備えている火葬場なら、精進落としが行われる場合もあります。
収骨
火葬の後、ご遺骨を骨壺に納めることを収骨といいます。収骨のタイミングが来たら呼び出しがあるため、収骨室へ向かいます。
収骨室では、2人一組になり長い箸で遺骨を拾います。ご遺骨は足元から拾って骨壺へ納め、次に胴体、最後に頭蓋骨を納めて終了となります。
解散
収骨が終われば、火葬場での全行程が終了します。
もう一度葬儀式場へ戻り精進落としや初七日法要などを行う場合と、そのまま解散となる場合があります。
火葬にかかる時間
火葬自体にかかる時間は1時間から2時間程度です。火葬場によって違いがありますが、新しい火葬場の方が、早く火葬が終わる可能性があります。新しい火葬炉を使っているためです。
一方で出棺から収骨まで総合すると、2時間半から3時間半程度かかります。長丁場なので、後に予定を入れるのはあまりおすすめしません。
電車の時間が気になる人は、あらかじめ「〇時になったら失礼します」と喪主様に断りを入れておくのがいいでしょう。
火葬場でのマナー
火葬の流れを押さえたところで、火葬場での振る舞い方について気を付けるべきことをお伝えします。
他のご遺族やご遺影についての話はしない
火葬場には他にもご遺族がいます。親族控室は個室ですが、最後に焼香する火葬炉前の部屋が個室になっている火葬場は珍しく、2~3家族が同時に行き来をするのが当たり前です。
どんなに他のご遺族やご遺影のことが気になっても、その場で話題にするのはやめましょう。耳にした人が不快に感じるかもしれません。話の内容は聞こえなくても、身内のご遺影について何か言われている場面を目にするのは、想像以上に嫌なものです。
燃えにくいものは棺に入れない
出棺の前には、棺の中に副葬品を入れます。死後の世界へ持って行ってほしい思い出の品を入れるのが一般的です。このとき、燃えにくいものを入れるのはやめましょう。
不燃素材のものはもちろん、故人様が好きだったからと果物をまるごと入れたりすると、水分を多く含むため火葬が長引く原因になります。
また千羽鶴や本をそのまま入れると、灰がかなり残ります。
果物なら一口だけ、本なら印象的な一節が書かれているページだけ、鶴は一羽だけを入れてあげるのがおすすめです。
大声で騒がない
控室で軽食をとっているとき、久しぶりに会った親族と話が弾んでしまうことがあります。火葬場がお別れの場であることを念頭に置き、あまり大きな声で楽しそうにするのはやめておきましょう。
深酒はしない
火葬場で精進落としをする場合は、お酒が出る可能性もあります。
とはいえ火葬場は故人様を偲ぶ場であり、宴会場ではないため、深酒はやめましょう。
写真撮影は許可を得る
他のご遺族様の存在から、プライバシーを守るために写真撮影を禁止している火葬場があります。
もし写真を撮りたいと考えたら、喪主や葬儀社、火葬場の担当者に相談して許可を得ましょう。写真撮影の際には、他のご遺族様が写り込まないよう配慮します。
現場の流れに沿って落ち着いた行動を
以上、火葬の流れやマナーについて解説しました。初めて火葬場を訪れる人でも、全体の流れをよく見て行動すれば失敗はありません。また、故人様と最後のお別れとなるしめやかな場であることを意識すれば、自然とふさわしい振る舞いができることでしょう。
遅刻だけはしないように充分気をつけて、最後の儀式に臨みましょう。
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