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2023.06.13 お葬式一般葬自宅葬自由葬・お別れ会社葬家族葬直葬

お通夜は葬儀とどう違う?内容やしきたり、マナーを解説

お通夜と葬儀、何が違うの?

 

お通夜も葬儀も、亡くなった人のための儀式であるのは同じです。では、何が違うのでしょうか。葬儀をすれば、お通夜を省略しても良いものなのでしょうか?

今回はお通夜の内容を解説しながら、葬儀・告別式との違いやしきたり、マナーについてご紹介します。

 

 

 

 

お通夜は本来、夜通し故人様を見守ること

 

お通夜は「夜を通じる」と書きます。この文字のとおり、本来は夜を通して故人様を見守ることを指しました。近親者は一晩中、交代で休みながら線香の火を絶やさず、枕元で故人様の思い出話などをしていたのです。

お腹が空いたら誰でもすぐに食べ物をつまめるよう、料理は出したまま。お通夜中に菩提寺のご住職が訪ねてきて、読経してくれることもありました。

 

ではなぜ、夜通し故人様をそばで見守ることが必要なのでしょうか。

それには主に2つの意味がありました。

 

1つは、故人様が魔物にとりつかれないようにするためと言われています。放置された死者は魔物にとりつかれ、成仏できなくなるとされていたからです。

そしてもう1つは、もしかしたら息を吹き返すかもしれないためでした。医療が発達していなかった頃、臨終を見極めるのは難しい行為だったからです。

 

なお、お通夜を終えた翌日には、葬儀や埋葬あるいは火葬を行っていました。これは現代と同じ流れですね。

 

 

 

 

現代のお通夜はいわゆる「半通夜」

現代のお通夜では、近親者が徹夜で故人様を見守るような負担のかかることは行いません。

午後6時など、夜の比較的早い時間帯に僧侶の読経が始まり、通夜式が営まれます。参列者たちは通夜式が終わったら「通夜ぶるまい」と呼ばれる会食に出席しますが、1~2時間ほどで退出し、午後8時頃にはほとんど近親者のみになります。

残った近親者についても、次の日の葬儀に備えて早めに休むのが理想的とされます。このように短時間で終わるお通夜は、「半通夜」とも呼ばれます。

 

お通夜を省略し葬儀のみをする「一日葬」の登場

夜通し故人様を見守るという行為がない以上、半通夜としてのお通夜は葬儀とあまり流れが変わりません。葬儀も、僧侶が読経をする儀式が終わった後に会食をして終了となります。葬儀では会食の前後に火葬があり、またそもそも火葬と葬儀では読経の内容が異なります。

しかし「儀式」→「会食」という基本的な流れは2つとも同じですから、今ではその二つを混同してしまう人が多いのかも知れません。

 

 

 

それでも以前は、お通夜と葬儀には圧倒的な違いがありました。

それは参列者の違いです。

 

お通夜は夜に営まれるため、日中に働いている一般参列者が来やすいという特徴があります。よってお通夜は一般参列者がたくさん訪れるもの、葬儀は親族中心に行われるものという認識が広くあったのです。

 

しかし近年では、親族を中心にお通夜や葬儀を行う「家族葬」が流行しています。家族葬ではお通夜も葬儀も同じ顔ぶれが揃うことになりますので、もはや違うのは読経の内容のみという状況と言えます。

そのため、「同じような儀式を2度行うのは不経済」と、お通夜を省略する動きも出てきています。このようにお通夜を省略されたセレモニーは、葬儀と火葬だけを行う「一日葬」と呼ばれています。

 

仏式の儀式において、通夜式にはお通夜にふさわしいお経が読まれ、葬儀には故人様をあの世へ見送るための儀式が営まれます。よって年長者やご住職の中には、一日葬をあまり良く思わない人もいます。一日葬を行いたいと考えたら、喪主様や遺族だけで決めずに、菩提寺や親族の年長者にも相談するのがトラブルにならないコツです。

 

 

 

現代にも残るお通夜のしきたりとマナー

 

省略化が進むお通夜ですが、昔ながらのしきたりもまだまだ残っています。

マナーに通じるものもあるため、お通夜の席で役立つよう代表的なものをご紹介します。

 

夜通し線香の火を絶やさない

近親者が休んだ後も線香の火を絶やさぬよう、「渦巻き線香」と呼ばれる蚊取り線香のような線香が利用されています。渦巻き線香は一度火をつければ燃え尽きるまでに6~7時間かかるため、近親者も安心して休むことができます。

 

通夜振る舞いは一口だけでも箸をつける

参列者は通夜式のあとに「どうぞ通夜振る舞いにご参加ください」と遺族に参加を促されます。遠慮をしたり、忙しいからと辞退したりするのは、基本的にはマナー違反とされています。それは、通夜振る舞いの席で故人様の思い出話をしながら食事をすることが供養につながると信じられてきたためです。よって一口だけでも箸をつけるのがマナーです。

ただ、通夜振る舞いに長居するのはあまり良くありません。参列者に長居されては、遺族が休めないためです。サッと席に座り、食事をいただいたら早めに退席するのが理想的です。

 

「お淋し見舞い」を持参する地域がある

香典のほかに「お淋し見舞い」としてお菓子やお酒を持ち寄る地域が全国に点在します。この風習には「夜通し故人様を守らなければならないお通夜の席で、ご遺族様が淋しい思いをしませんように」という思いが込められているとされ、お淋し見舞いをいただいたら通夜で封を開けるのがしきたりです。

 

 

 

参列者も喪主も、お通夜の意味を知るのは大事

 

もしお通夜に行く機会があったら、ここで解説したお通夜の意味を思い出してみてください。そして故人様を見守る遺族を慰めるために、心を込めて参列しましょう。

 

喪主様となられる方は、お通夜と葬儀の違いを知った上で、一日葬にすべきかどうか検討するのが重要です。もし一日葬となった場合も、儀式的行為がないだけで、「葬儀の前日はお通夜」というしきたり自体は変わりません。お通夜にあたる夜は、故人様の思い出話などをしながら、ゆったりとした気持ちで過ごすのがおすすめです。

 

 

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(監修:行政書士・尾形達也)

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