小規模化へと進む日本の葬儀
葬儀には、宗教や宗派、地域によってさまざまな形式がありますが、そのどれも、近年では親族だけで執り行う小規模なものが増えています。
この記事では、そんな小規模化する葬儀の傾向についてお話ししていきましょう。
「お葬式」
これまでの葬儀といえば、通夜、葬儀、告別式をそれぞれ行う「お葬式」が主流でした。
それは親戚や友人、ご近所の方々など故人様と生前にかかわりのあった、たくさんの方に参列していただき、豪華な祭壇を作る立派なもので、故人様を偲ぶ荘厳な儀式であると同時に、故人様を弔うためのセレモニーを兼ね揃えたものでありました。
しかし近年では、首都圏を中心に家族や親戚などが少人数で行う「家族葬」が増えつつあります。
もちろん、家族葬とは言っても参列者は家族だけに限らず、ごく親しい友人が含まれることもあります。しかしそれは、従来の「お葬式」のように100名近い参列者があった頃と比べれば、充分にアットホームな規模と言えるでしょう。
家族葬に何人という明確な決まりはありません。家族だけの数名で行うこともあれば、ごく親しい友人にも参列してもらう場合もあり、自然と30名以下の小規模なものになることが多いです。
家族葬が増加している理由
家族葬が増加している理由として、経済的な理由や高齢化があげられるでしょう。葬儀の規模が大きくなれば、それだけ費用もかかります。ある調査では、葬儀費用の平均相場は約200万円となっており大きな出費と言えます。
(2020年3月株式会社鎌倉新書「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」)
その上でさらに故人様が高齢者となれば、その配偶者や、親族、友人なども高齢者が多くなり、呼ぶ方も呼ばれる方も負担が大きくなってしまいます。そのような理由から、従来の葬儀のスタイルよりも、簡素化した身内だけで執り行う小規模の家族葬が選ばれることが増えてきているのです。
この流れは数年前から増加傾向にありましたが、昨今のコロナ禍でさらに加速しました。大勢の弔問客で密になることを避け、大人数での会食を避けたことによって、否応なしに家族だけでお別れをする「家族葬」を選ばざるを得なくなったことが、葬儀の小規模化に拍車をかけたと言えるでしょう。
また、家族葬では宗派にとらわれず、僧侶を呼ばずに故人や遺族の意向を取り入れたお別れの仕方や演出などを行うことができる場合があります。無宗派の方の中にはそういった理由から、家族葬を選ばれる方もいます。
「お葬式」にかける日数の変化
葬儀の変化は、「お葬式」の規模だけでなく日数にも見られています。
冒頭でも軽く述べた通り、従来の「お葬式」は、お亡くなりになった日の夜に親族だけで仮通夜を行い、次の日の夜に一般の弔問客をお呼びしてお通夜を行うのが一般的でした。
お通夜とは、僧侶に読経をしてもらい、故人とのお別れをする儀式のことを言います。また、通夜式の後は、通夜振る舞いの会食をするのが一般的で、その次の日に告別式や火葬を行う流れとなります。
しかし、最近では仮通夜を行わない「お葬式」の形態が主流です。
仮通夜を行わない「お葬式」のスタイルは、お通夜と葬儀・告別式・火葬を2日間で行うため「二日葬」と呼ばれます。
また、さらに日数が短くなったもので、お通夜を行わず、1日で告別式と火葬のみを行う「一日葬」という少人数の葬儀形式も増加しています。
一日葬のメリット
一日葬では通夜を行いません。そのため、僧侶による読経や故人とのお別れは葬儀・告別式のみで行うことになります。葬儀・告別式の後は、近親者のみが火葬場に移動し火葬し、お骨上げを行います。火葬を待つ間や火葬後には、精進落としの会食を行いますが、結果として「お葬式」での会食の機会はこの時だけとなります。
そのため一日葬では、通夜式や会食など手配の手間や費用が抑えることが出来る利点があります。大勢の会食の手配は、その数や内容など、さまざまなことに気を遣わなければなりません。故人を失くした悲しみの中での参列者への対応などは負担に感じることもあるでしょう。しかし、一日葬では「お葬式」での会食が1回だけであり、参列者が少人数であることや、ごく親しい身内だけで行うためその負担感を軽減できるのです。
また一日葬でも、参列者が少人数であれば十分にお別れの時間を持つことができるため、その点において遺されたご遺族が不安や不満を抱くことは殆どありません。
小規模な「お葬式」のデメリット
ここまでお話ししてきた通り、家族葬などの小規模な葬儀には、遺族の負担や費用面でのメリットが多くあります。
しかし、当然ながら必ずしも良いことばかりではありませんので、その点は注意が必要です。
例えば小規模な「お葬式」では参列者の数が少ないため、当然ながらお香典の額が少なくなります。会食などにかかる費用は人数や回数が少なくなれば比例して金額も少なくなりますが、僧侶に依頼する読経や戒名をつけてもらうための費用、祭壇にかかる費用、会場費などが予想していたよりも多くかかってしまい、出費の方が大きくなってしまうというケースも少なくはありません。
また、ごく近しい相手に限って葬儀の案内を出し参列者を絞っているため、参列できなかった方が、葬儀後に別途お別れをしたいと、次々に自宅に弔問に来られる場合があります。故人の交友関係の広さによってはその対応だけで膨大な労力となる可能性もありますので、その点を十分に考慮し、一般葬と家族葬、どちらが合っているのかを慎重に考える必要があるでしょう。
葬儀も多様性の時代へ
少子高齢社会での核家族化や冠婚葬祭に対する意識の変化などが加速していく中で、これからの葬儀の形はこれまでのものとは、ますます違ってくるのではないかと予想されています。
小規模な「お葬式」が主流になるにつれ、都市部では家族葬など趣向を凝らした小規模な葬儀を専門に行う葬儀場も増加しつつあります。
これからの葬儀は、規模だけでなくその式内容の面からも故人様ひとりひとりのご遺志、残されたご家族の希望を強く反映していく、多様性の時代に突入しています。
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(監修:行政書士 尾形達也)
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